目次
はじめに
暑い季節になると、保育園や小学校で流行しやすい感染症のひとつに「咽頭結膜熱(いんとうけつまくねつ)」があります。
「プール熱」とも呼ばれ、特に夏場に子どもたちの間で広がりやすいウイルス性感染症です。
この記事では、咽頭結膜熱の原因・症状・感染経路・治療法・予防法まで、保護者や教育関係者の方にもわかりやすく解説します。
咽頭結膜熱とは?
咽頭結膜熱は、アデノウイルスというウイルスによって引き起こされる感染症です。
のどの痛み、結膜炎(目の充血)、高熱という3つの症状が特徴で、5~7日の潜伏期間の後、突然の発熱から始まることが多いです。
主な症状
以下のような症状が現れます:
- 高熱(38〜40℃):数日間続くことがあり、解熱剤でも下がりにくいこともあります。
- 咽頭痛(のどの痛み):扁桃腺が赤く腫れ、飲み込むのが辛い場合もあります。
- 結膜炎(目の充血・異物感・涙目):片目または両目に症状が出ます。
そのほか、以下のような付随症状も見られます:
- 倦怠感
- 頭痛
- 食欲不振
- 首のリンパ節の腫れ
感染経路と感染しやすい場面
咽頭結膜熱は、以下のような経路で感染します:
感染経路 | 詳細 |
---|---|
飛沫感染 | 咳やくしゃみによるウイルス拡散 |
接触感染 | 手すり、タオル、オモチャなどに付着したウイルスが手や口を介して侵入 |
水系感染 | プール水(消毒が不十分な場合)を介して目や口から感染するケースが多い |
特にプールでの接触が多い夏場には集団感染が起こりやすくなります。
治療法と家庭での対応
咽頭結膜熱には、特効薬はありません。ウイルス感染のため、症状に応じた対症療法が中心になります。
主な対応:
- 解熱剤・鎮痛剤で症状の緩和
- 十分な水分補給と栄養摂取
- 安静な環境で休養をとる
※結膜炎が強い場合は眼科受診を検討してください。
登園・登校の基準は?
咽頭結膜熱は、学校保健安全法により出席停止が必要な感染症に指定されています。
出席停止の目安:
「主要症状が消失した後、2日を経過するまで」
医師の診断を受け、回復状況を見ながら無理のない復帰を心がけましょう。
予防策は?
感染拡大を防ぐには、日常的な予防行動がとても重要です。
予防のポイント:
- 手洗い・うがいをこまめに行う
- タオル・コップ・枕などの共用を避ける
- プール利用後はシャワー・目洗いを徹底
- 感染者との接触を避ける
- 目をこすらない・触らない
まとめ
咽頭結膜熱は、特に夏に子どもを中心に流行する感染症で、早期の発見と適切な対応、感染拡大防止がカギとなります。
予防のための生活習慣を身につけ、もし症状が出た場合には無理をさせず、しっかりと休養させてあげましょう。
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