秋から冬にかけて流行する「RSウイルス感染症」は、乳幼児を中心に注意が必要な呼吸器系のウイルス感染症です。特に生後半年以内の赤ちゃんにとっては重症化のリスクがあるため、正しい知識と対策が不可欠です。
この記事では、RSウイルスの基本情報から症状、治療、予防法までをわかりやすく解説します。
目次
RSウイルス感染症とは?
RSウイルス(Respiratory Syncytial Virus)は、乳幼児に感染しやすく、肺や気管支などの下気道に影響を与えるウイルスです。
特効薬はなく、症状が重くなると入院が必要になることもあります。
主な感染経路と流行時期
項目 | 内容 |
---|---|
感染経路 | 飛沫感染、接触感染(くしゃみ・咳、汚染された手や物品を介して) |
潜伏期間 | 約4〜6日 |
流行時期(日本) | 例年9〜12月頃にピーク |
どんな症状が出るの?
軽症の場合(風邪に似た症状)
- 鼻水
- くしゃみ
- 軽い咳
- 発熱(38℃前後)
重症化した場合
- ゼーゼー・ヒューヒューという「喘鳴」
- 呼吸が苦しそう(陥没呼吸)
- 無呼吸(特に新生児)
- 細気管支炎や肺炎に進行
重症化しやすいリスク層
- 生後6か月未満の乳児
- 早産児
- 先天性心疾患・慢性肺疾患・免疫不全を持つ子ども
- 高齢者や基礎疾患のある成人も注意
治療法はあるの?
RSウイルスに特効薬はなく、対症療法が基本です。
主な治療法
- 解熱剤
- 吸入(ネブライザー)
- 酸素投与
- 点滴(脱水や食事が取れない場合)
重症の場合は、入院して酸素管理や栄養管理が行われます。

予防方法は?
- こまめな手洗い・アルコール消毒
- 咳エチケット(マスク着用)
- 人混みを避ける(特に乳児)
高リスク児への予防注射
→「シナジス(パリビズマブ)」という抗体製剤による予防接種
(医師の判断で対象が決まります)
登園・登校の目安は?
RSウイルスは感染力が非常に強く、家族内や保育施設内での流行も多いです。
登園・登校は医師の許可が出てからが原則です。
よくある合併症
- 細気管支炎(特に1歳未満の乳児)
- 肺炎
- 中耳炎
- まれに「無呼吸発作」など命に関わる症状も
再感染も多く、年齢を重ねるごとに症状は軽くなる傾向があります。
まとめ:RSウイルスは「ただの風邪」ではない
RSウイルス感染症は、特に乳幼児や基礎疾患のある方にとって注意すべきウイルスです。早めの対応と予防が、重症化を防ぐカギとなります。
育児中のご家庭では、手洗い・消毒・人混みを避けるなど、日常的な対策を心がけましょう。
コメント